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■プロフィール

Rabbit

Author:Rabbit
50代(男性)
私大法学部卒
東京都内に生息
海外留学・海外赴任経験なし
趣味は英語学習と居酒屋巡り
著書は以下の通り
『サラリーマン居酒屋放浪記』
『サラリーマンのごちそう帖』
『TOEIC L&Rテスト860点奪取の方法』
『TOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ』
『TOEIC L&R TEST 超上級単語特急 暗黒のフレーズ』

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TOEICテスト900点。それでも英語が話せない人、話せる人
TOEIC本のレビューを書くのは久しぶりです。読み終わって書こうと思っている矢先に、次から次へと新しい本が出てくるから全然間に合わない(笑)。でも、この本のレビューだけは書かないわけにはいかない。だって、僕は自他共に認めるトーイッカーですから(笑)。

TOEICテスト900点。それでも英語が話せない人、話せる人(DL特典付)TOEICテスト900点。それでも英語が話せない人、話せる人(DL特典付)
(2014/02/01)
ヒロ 前田

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実は発売されてから比較的早い時期に購入したのですが、読んだのは昨日です。ミャンマーで1時間半近くかけて一気読みしました。いつもはフレンドリーな店の女の子も、何だかいつもと違う、ただならぬ雰囲気の僕に一度も寄りつきませんでした(笑)。怖かったのかなあ・・・。

まだ読者プレゼントの音声を聴いていませんので、厳密には全て読み終わったことにはなりませんが、割と忙しいサラリーマンなので、そこは大目に見てください(汗)。音声を聴いたらまた補足するかもしれません。

さて、能書きはこのくらいにして感想を書きます。若干、本の内容に触れますので、これから楽しみに読もうとしている方は、本稿は読み飛ばしてくださいね。楽しみが半減しても当方は責任を負いかねます(笑)。

この作品は、松ケ根と富澤という2人の主人公が徐々にスコアアップしていく過程を、それぞれ対極にあると思われる具体的な勉強法を織り交ぜながらストーリー展開させ、いつの間にか読者を引き込んでいきます。英語学習者にとって興味深い内容であることに加え、著者のキャラクターメイキングの巧さが光っていますね。登場人物に感情移入しやすい。

痛快なほどスコアアップのみに特化する松ケ根、一方、スコアだけではなく、本物の英語力を養成しようと不器用ながらも真摯に取り組む富澤、そんな2人を常に温かく見守り、彼等の成長度合に応じて適時適切なアドバイスを送り続ける喜多川、男だけの殺風景な舞台を華麗に彩るマドンナ栗原。

ほぼこの4人の登場人物だけで構成される小説ですが、それで十分です。読めば分ります。キャスティングが複雑になり過ぎると、書き手が伝えたいと思っている大事なことがぶれてしまいますから、これでいいのです。推理小説ではありませんから。

物語は、とにかく何が何でもスコアアップの松ケ根と、海外営業部での仕事を夢見て実用的な英語力も身に付けたい富澤の2人が、600点、730点、800点、900点の壁を越えようと、それぞれ違ったアプローチで挑んでいく様子をユーモラスに描いています。目標をドンドン上方修正していく彼らの若さと潔さが実に心地良く心に響く!

そして、2人の全く違ったタイプの学習者の勉強方法を、初受験から900点突破までの各段階で都度、具体的に読者に提示しているのは親切な作り込みだなと思うし、同時にTOEICを知り尽くしていないと絶対に書けないな、と思わずニヤリとしてしまう。詳しくは書きません。ご自身で手にとって読んでみてくださいね。

この本の「言いたいこと」は著者があとがきで簡潔に纏めてくれていますので、本文と併せてここは絶対読まなくちゃいけない。この本のエッセンスが僅か数ページに凝縮されていますから。切り取って持ち歩ってもいいくらいの濃い内容ですよ。核心をついている。

ひと通り読み終えて思うに、TOEICに対する考え方は僕も前田先生と全く同じですね。TOEICで900点を取得してもスピーキングがままならない人もいます。もしかしたら990点満点ホルダーだってそうです。一方、600点程度でも結構話せる人はいます。この辺りの差は、受験者がTOEICというテスト制度をどのように活用しようとしているかによって必然的に出てくるもので、もはやスコアだけでは測定できない領域なのです。

最近はTOEICという試験制度の是非を問う輩が巷に溢れているわけですが、前田先生の言葉をお借りすれば、彼ら批評家は大抵、大雑把です。批評家という名称にすら値しないですね。大してTOEICのことを知らずに、いや、知ろうともせずに言いたいことだけ言ってる。

この小説を通して著者が本当に言いたかったことは、「目標(例えばスコア)が同じでも、その目的が異なれば、それに応じて手段(例えば学習方法)も変わるのが普通でしょ?」ということではないでしょうか?遠くに見据えているものは何なのか?それによって人は行動を起こすわけですからね。だから本書では目的に応じたそれぞれの勉強法やアプローチを示してくれているのでしょう。

テスト受験者の事情を一切無視してTOEICの是非を外野から議論するのは無意味だと、本当は問答無用、一刀両断にぶった斬りたいところなのでしょうが、本書ではあえてそうはせずに、TOEICの有用性を具体的な事例を紹介しながら一つずつ丁寧に説明しています。前田先生らしいアプローチだと思うし、これができるのはTOEIC界で(←そんな世界があるのか知らんが)前田先生しかいないでしょう。

中心にあるべきは、TOEICというテスト制度なんかじゃない。英語学習者達の心なんだ。昇進のためにスコアアップだけに拘ることも正しい!海外相手の仕事を目標にスピーキングを中心とした本物の力を蓄えるのも正しい!このテストの価値を決めるのは受験者であり、また、このテストをどう活用するかについては、ひとり受験者の意志に委ねられて然るべきだと僕は考えています。

さあ、皆さん、まだ本書をお持ちでないなら、売り切れないうちに書店へGo~!

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TOEIC国内本レビュー | 17:00:05 | トラックバック(0) | コメント(2)