2023-07-02 Sun
本日は母の告別式です。まだ棺の中で眠っているけれど、本当にもう顔を見れなくなるのかと思うと淋しさは募るばかりです。今更ながら母との様々な思い出が鮮やかに蘇ってきます。母はとても教育熱心でした。僕が中学1年生の頃、NHKのラジオ英会話の本を買ってきて、毎朝、聴かせようと朝早くから起こさたのです。ほとんど寝ながら聴いていたから、結局、何一つ身に付きはしなかったけど。笑。
教育熱心には理由がありました。幼少のころから暮らし向きが良くなかった母には、貧困の連鎖は学問で断つ、という信念があったのですね。家柄が良いわけでもなく、才能に恵まれた一族でもなく、学問で身を立てるしか生き残る道はないと固く信じていたようです。
そんな期待の中、とりわけ僕は英語ができなかった。笑。数学のテストはクラスで一番のこともあったけど、英語は最低でした。全くできなかったし、身の毛がよだつほど嫌いでした。日本人なのに何故、英語を勉強しなくてはならないのかって真剣に考えていました。
当然のことながら、中学校の成績は酷くて、5段階評価でほとんどが「2」で、「1」がひとつ、「3」も数えるほどしかなかった。家庭訪問の時に、今のままだと地域で一番入りやすい工業高校もいけないと担任の先生に言われ、泣かせてしまった。ごめんね。
そんな僕が大学浪人となり、新聞を配りながら1年間勉強を続け、奇跡的に志望校に合格した時は腰を抜かしそうになって驚いていたっけ。よっぽど信用されてなかったんだね、おれ。笑。実は、この時は英語はまだ得意とは言えなくて、国語と日本史の力で合格しました。この得意2科目で満点近く獲って、英語は50点で逃げ切るのが必勝パターンでした。英語がねえ…。
お母さん、きっと信じてもらえないかもしれないけどね、おれ、英語が好きになったんだよ。本当だよ。TOEICっていう英語のテストがあるんだけど、それがおれを変えてくれたんだ。嘘じゃないよ。棺の中におれが書いた本を一冊入れておくよ。お母さんが亡くなる二日目前にできたんだ。四十九日まで暇だろうから眺めてみてよ。あなたが買ってきてむりやり聴かせてくれたNHKのラジオ英会話の本よりずっと分厚いぞ。
さて、今から実家に戻って、母の好きだった洋服を持ってきます。これも棺の中に入れてあげる。洋裁が得意で芸能人の衣装まで作っていた母の姿が思い出されます。誰にも言ったことはないけれど、プロフェッショナルな母でした。その才能を僕は引き継いでいないけど。笑。
大好きだったお花もたくさん入れてあげよう。クラシック音楽も大好きで、よくコンサートに出掛けていったね。今考えれば、一回くらい一緒に行っておけばよかったよ。あなたの葬儀にはお経よりクラッシック音楽のほうがたぶん似合うよ。仏壇が整ったらその横で流してあげるよ。民謡好きだった父の渋い顔が浮かぶけど。笑。
あと数時間でお別れだね。
さようなら、お母さん。
ありがとう、お母さん。
分かってるよ。身体はなくなっても、目をつぶればいつでも会えるってことは。だから悲しんでないよ。新しい旅立ちを応援してるよ。今日はそのためのセレモニーだからね。お父さんには必ず迎えに来るように釘を刺しておいたから安心して。向こうに着いて親父さんと合流したら連絡ください。ポンって頭を叩いてよ。それで会えたんだなって分かるから。
じゃあね。
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