2015-08-25 Tue
巷で噂のBlack Rabbit Bookstore とは何だ?何とも怪しげなネーミングだが、その商号からすれば、どうやら業態は書店に分類されるらしい。とある町の繁華街にあると聞いたが、初めて訪れる者が独力で見つけるのは極めて困難だという。地図は全く役に立たない。そうさ、Black Rabbit Bookstore は自他共に認めるTOEICマニアだけが入店を許されるメンバー制のクラブだ。2年前には〝Gupta in Wonderland〟で一世を風靡したヒロ・マエダ氏の朗読会が秘密裏に行われたらしいが、詳細は誰も知らないし、知る術もない。
クラブの入会条件はかなり厳しいと風の便りに聞いたことがある。先ず、現役メンバー3人以上のSignature 入りの Reference Letters が必要だ。Preferred ではない、Required だ。プラス、自身がTOEICマニアであることのEvidence として、TOEIC公開テストの受験票Aの Original を10枚提示しなくてはならない。ただし、ただの10枚じゃない。連続10回受験を証明する10枚だ、Consecutive Ten だ。帰れま10!じゃねーぞ。たとえ9回連続で受験したとしても、10回目を欠席すれば振り出しに戻るという鬼の掟だ。そのハードルは極めて高い。
店内には普通の本は置いていない。入手困難とされるTOEIC韓国模試本が店内を埋め尽くすようにズラリと並ぶのみだ。韓国からそれ専用の専属バイヤーを雇っている。YES24もKyoboもAmazonも、この際関係ない。この辣腕バイヤーに入手不可能な、Unavailable な本はない。Between 日本 And 韓国を日帰りで Round Trip するこの腕利きは、飛行機の遅れなど慣れっこだ。Inclement Weather も Malfunction も、この男には関係ない。インド人ではないが、 何故か、Gupta と名乗っている。本名ではないのだろう。
日が落ちてから秘密の扉をくぐると、このBookstore は Bar にその顔を変える。本来、TOEICの世界にアルコールは存在しないが、そこはこの店のオーナー、Black Rabbit の変幻自在のイリュージョンだ。禁酒法がまかり通るこの世界でも、彼に入手できない酒はない。先日も Myanmar の知り合いから幻のBlack Hoppy を手に入れ、メンバーに Free of Charge で振舞ったと聞く。Complimentary だ。Picnic では決して飲めない酒さ。
ん?さっきから偉そうに、お前は誰かって?
まさか、この俺様に聞いているのか?
ふっ、怖いもの知らずだな、お前さんは。坊や、よく覚えておけ。世の中には知らないほうがいいこともあるんだぜ。忠告しておく。命が惜しかったら、つまらん詮索はやめておけ。
おっと、今日は喋り過ぎちまったようだな。俺らしくもない。西の辺りをうろついている台風に唆されちまったらしいぜ。
もう、こんな時間か・・・。
Hummer Café で Hummer式テンダーロイン・ステーキでも食って帰るとするか。おそらく既に仲間が何人か集まっているだろう。今日は確か、Emperor Ryusui のBirthday だからな。本人はそんなこと忘れちまってるだろうけど・・・。自分のことには無頓着なお方だぜ。そういえば、Ikemen Butti がケーキを用意してくれているらしい。相変わらず気が利く男だ。
Black Rabbit は、いや、得体の知れぬその男は、Basement に駐めてあった愛車に颯爽と乗り込み、〝990〟という数字が刻印されたイグニッション・キーを時計回りに捻った。
ではまた。
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