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■プロフィール

Rabbit

Author:Rabbit
50代(男性)
私大法学部卒
東京都内に生息
海外留学・海外赴任経験なし
趣味は英語学習と居酒屋巡り
著書は以下の通り
『サラリーマン居酒屋放浪記』
『サラリーマンのごちそう帖』
『TOEIC L&Rテスト860点奪取の方法』
『TOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ』
『TOEIC L&R TEST 超上級単語特急 暗黒のフレーズ』

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Rabbitの居酒屋放浪記≪番外編≫~大久保・日の出中華
本稿は拙著〝サラリーマン居酒屋放浪記〟の番外編として執筆しました。放浪記には36話分が収録されていますので、本稿は 37番目のアナザー・ストーリです。書いていたら何だか自然と涙が出てきました・・・。1話~36話は下記の本に掲載されていますので、ご興味がある方は覗いてみてくださいね。

サラリーマン居酒屋放浪記はコチラから!

放浪記

昔は街でよく見かけた昭和の食堂も、今では少なくなりました。店頭のガラスケースの中に、決して出来がいいとは思えない古めかしいメニューサンプルが飾ってあって、それでも子供心にワクワクしたものです。初めてオムライスを見たのも街の食堂だったっけ・・・。あの時の卵の黄色と赤いケチャップの色は忘れることができません。

居酒屋と違って食堂とか定食屋さんは、昼前からお店を営業しているわけで、近所のおじさん達がビールかなんかを美味しそうに飲んでいましたね。いつか自分も大人になったら、あの席でビールを飲もうかなとか思ったりして・・・。ものの見事にそうなりましたけど・・・。

大久保駅徒歩2分の〝日の出中華〟も、そんな憧憬の念を呼び覚ます、街の食堂だった。地方から東京に戻ってきて数年が経った頃、仕事帰りに何回となく足を運んだ。最初のうちは、お酒は全く飲まずに、カレーライスばかり食べていたけど、そのうち、ビールを飲むようになり、気が付けば、金宮の一升瓶をキープしていました。

この店のお父さんとお母さんは素晴らしい。美味しいものを手際よく提供するプロ魂もさることながら、お客さんを気持ちよく飲食させてくれるホスピタリティには頭が下がる思いです。特に、お母さんの接客は見事でした。

初めてホッピーを注文した日。アテは何にしようかなと一瞬迷っていると、

「うちは餃子が美味しいから餃子にしなさい。1枚?2枚?」

と言われ、言われるまま餃子を1枚いただきました。問答無用の餃子お勧め攻撃は、この店の専売特許であることを後で知らされました。これが、旨い!肉、キャベツ、ニラ、ニンニクのバランスが絶妙で、かつ、下味の塩加減が程良く、いくらでも食べることができます。結局、初めて注文した餃子をもう1枚追加しました。もっと早く食べれば良かった。

これ以降、日の出中華に立ち寄ると、先ずは餃子!が定番となりました。一つ目は何もつけずに食べて餃子そのものを味わい、二つ目は胡椒だけ振りかけてアクセントをつける。三つ目からは、醤油と酢とラー油を自分の好みにブレンドして食べます。ひとりだけの餃子堪能ワールドです。

ひとしきり餃子を味わった後は、次のメニューに移るわけですが、これがまた悩ましい。一体どれくらいの数があるのか、正確に数えたことはありませんが、おそらく百は超えています。どれも美味しいから、脳ミソをフル回転させて選ばなくてはなりません。前回は、レバーの生姜焼きとナスの醤油炒めを頂いたので、今日は、ハムカツと目玉焼きに、しめじの竜田揚げもいっちゃおうかな。

金宮のホッピー割をチビチビ飲みながら、次の注文品を考えるのもまた楽しい。独り酒は自由な時間を謳歌する時間でもありますね。このお店は〆のご飯がバリエーション豊富で、どれも美味しいから時間をかけてゆっくり楽しみたい。元々はカレーライスに惹かれて通っていたわけですが、その後、炒飯もドライカレーもチキンライスもチャレンジして最高に旨かった。ソース焼きそばは、おつまみにもピッタリです。どれもデフォルトで大盛りだけど・・・。あ、ホッピーがない。

「お母さあ~ん、ホッピーの外、1本ちょうだい!」

「アナタ、たくさん飲むし、飲むの速いから2本にしなさい。」

「はあ~い。じゃ、2本で。手が空いたら氷もくださいね。エヘヘ。」

「ハイハイ。」

という感じで、この日も、憧れの昼飲み・食堂飲みを満喫していたわけですが、

その悲しい出来事は、ある日突然やってきたんだ。仕事に追われていて、しばらく顔を出すことができずにいたのですが、土曜日の昼下がりに、ようやく暇な時間ができたので、喜び勇んで総武線は大久保駅を目指し、お店の前に立ちました。しかし、そこには、いつもとは違う風景があったのです。

えっ?何?どうなったの?どういうこと?え?しばし、茫然自失。ショーケースのメニューサンプルは、すっかり空っぽになっていて、お店の中も、見慣れたテーブルとイスだけが、居なくなってしまった主人を待ちわびるようにポツンと鎮座しておりました。

心臓の鼓動が収まらないまま、何かの間違いだろう?そう思いたかったけど、「貸店舗」の張り紙があり、不動産業者の名前と電話番号が記載されていました。まさに青天の霹靂・・・。ご高齢のご夫妻でしたから、近い将来、こうなることは覚悟してはいましたが、なんで今日なんだよ・・・。ガックリと肩を落としました。

昭和の時代から長きに亘り、おそらく、延べにして何十万人ものお客さんの胃袋を満たし、幸せな時間と空間を作り出してきたであろう〝日の出中華〟は、その役割を終え、今、静かに幕を閉じたのです。ひとつの時代が終わりました。

それからどのくらい立っていただろう。時計では計ることができない時間が流れていたような気がします。心の中で〝さようなら〟と〝有難う〟を何度も繰り返し、ようやく、お別れを決意してガラスウインドウに背を向けた、その時、優しいお母さんの声が後ろから聴こえたような気がした。

「うちは餃子が美味しいから餃子にしなさい。」

ああ・・・、持ってきてくれよ、何枚でも食うからさ・・・。

ドドドドッと音が聴こえて、夕刊を配達する新聞配達のバイクが横を走り抜けていった時、ようやく我に返り、最後にもう一度だけ挨拶しようと思った。寒い夜には身体だけでなく心まで温めてくれた、日本一の食堂を僕たちは決して忘れません。

さらば、日の出中華!

ありがとう、日の出中華!

お父さん、お母さん、ありがとう、有難う、アリガトー!

(完)

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未分類 | 14:27:19 | トラックバック(0) | コメント(6)
コメント
マジですか・・・( TДT)
2016-10-28 金 17:14:09 | URL | オジミ [編集]
Re: タイトルなし
オジミちゃん、

> マジですか・・・( TДT)

マジです(._.)・・・。もう、あの美味しい餃子は食べれないのです(ToT)/~~~ゴーキュー。

悲しくて悲しくてとてもやりきれないので、これから何処か飲みにいきます(p_-)グスン。
2016-10-28 金 17:47:33 | URL | Rabbit [編集]
ご無沙汰しております。

自分もよく利用させていただきました。
レバニラ定食をよく食べましたね

閉店は何年前でしょうか?
2016-10-28 金 19:09:44 | URL | カール [編集]
お別れは、たとえいつかは来ることがわかっていても、悲しいものですよね。時がRabbitさんの御心を癒してくれますように。
2016-10-28 金 20:04:58 | URL | 101 [編集]
Re: タイトルなし
カールさん

> ご無沙汰しております。

こちらこそご無沙汰しております<(_ _)>。

> 自分もよく利用させていただきました。
> レバニラ定食をよく食べましたね

レバニラも美味しかったですね。大好きでした(^_^)。

> 閉店は何年前でしょうか?

そんなに前ではありません。僕は今年の4月に行きました。お父さんもお母さんも元気でしたよ。

6月に閉店されたようですね。寂しいです(ToT)。でもやむを得ませんね。長い間、お疲れ様でしたと言いたいです(^_^)。

ではでは。
2016-10-31 月 09:56:02 | URL | Rabbit [編集]
Re: タイトルなし
101さん

> お別れは、たとえいつかは来ることがわかっていても、悲しいものですよね。時がRabbitさんの御心を癒してくれますように。

僕は月に1~2回でしたからいいのですが、毎日来ていた方もいらっしゃいます。ショックでしょうねえ。

でも仕方ありません。有難う、長い間お疲れ様でしたと伝えたいです<(_ _)>。
2016-10-31 月 09:57:46 | URL | Rabbit [編集]
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