2019-02-20 Wed
金のフレーズ、銀のフレーズでお馴染みのTEX加藤さんの新刊です。『TOEIC®L&R TEST 出る単特急』という冠は同じですが、その内容は明らかに進化しています。ありそうでなかった待望のTOEIC本がついに登場しました!
本書『金のセンテンス』は、100万部を超えるベストセラーとなった『金のフレーズ』の上級版という位置づけだと思いますが、『金のフレーズ』の見出し語1,000語をそっくり収録し、更にTOEICに出る500語を追加しています。実に1,500の膨大な語彙を360の英文に封じ込めた、夢の語彙本です。
『金のフレーズ』と異なっている点ですが、記憶の手掛かりを、「フレーズ」から「センテンス」に変更したことに伴い、読者の目線も従来の「日本語⇒英語」から「英語⇒日本語」に誘導される形式に変わっています。
これは当然ですね。そうしないと瞬間英作文のように、日本文を見て英文に変換する形式になってしまいますので、語彙本としてはハードルが高くなりすぎです。まずは本書に収録されている語彙を習得するのが最優先ですから、これでいいと思います。
ちなみに、本書の音声ですが、「英文のみの音声」と「和訳音声+英文音声」の両方を聴くことができますので、英文の音声を完璧に聴けて瞬時に意味が分かるような状態まで学習した後は、和訳を聴いて、一旦、音声を止め、英文を発声してみるというトレーニングをすると良いと思います。
学習者の実力やニーズに合わせて音声を選べる気遣いが嬉しいですね。abceedというアプリを使えば、MP3プレイヤーなどなくても、手元のスマートフォンで聴くことができますし、再生スピードを変えることもできます。Androidにもiphoneにも対応していますので、是非、お試しあれ。
さて、肝心の本書の英文ですが、Station1~Station4まで、6語~23語で構成されています。これはPart5の問題文の語数を超えないという著者の配慮によるものですが、先のページに向かうにつれ、じわじわと難易度が上がっていくのが心地よい。筋トレのように筋肉に徐々に負荷がかかってくることを実感できます。難易度順に英文を並べた著者の思惑にまんまと嵌りますね。
僕は、360の英文を既に10回以上、音読して頭に叩き込みましたが、余分なものが一切ありません。『金のセンテンス』は、まさしく『そのままTOEIC』です。英文だけではなく、語注・解説欄で出てくる派生語・関連語・文法事項・出題のポイントなど、すべてがTOEICワールドそのものですから、余すところなく吸収すべきです。
また、「TOEICでは」「TOEICの世界では」の枕詞で始まるTOEIC小話的な情報も著者のTOEIC愛を感じて思わずクスリと笑ってしまいますし、記憶のトリガーとして巧く機能しそうです。
その他、章末にある「Supplement」と「Short Break」も必見ですし、時折、見開き右ページの下に登場する「TOEIC用語」「TOEIC Tips」も非常に興味深く、勉強で疲れてきた頭をリフレッシュさせてくれます。更にもう一つ、「試験で見かけた難語」というコーナーが出てきますが、これをすべて知っている学習者は相当な実力者と言えましょう。是非、ご自身の目で確認してみてください。
本書の想定読者は『金のフレーズ』の単語を既にほぼマスターしている学習者ということになっているようですが、私はそうは思いません。『金のフレーズ』は「日本語から英語のフレーズ学習」であり、本書は「英語から日本語のセンテンス学習」です。両書を並行して学習することで相乗効果が得られると考えるからです。
最後に、そう言えば、本書には、通常の書籍にある筈のものがないことに気づきました。索引も含め、すべてのページを読み終えた時、「あれ? ページ数の表示がない」と気づいたのです。よく考えたら、360の英文のナンバーさえ記載してあればページ数は不要なのですね。混乱するから、むしろないほうがいい。蛇足ではありますが、一応、紙の枚数を数えましたら176枚ありました。ページ数に換算すると352ページですね。この分量で1,000円を切っているのは奇跡でしょう。
2007年3月の初受験から今日に至るまで、TOEIC®L&Rテストを100回以上連続して受験している僕が、本書に太鼓判を押します!TOEIC®L&Rテストでスコアアップを目指すなら、本書は間違いなく貴方のバイブルとなります。
ではでは。
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