2021-05-28 Fri
今日のタイトルに一言で回答するとしたら、答えは“No”です。僕は常々、Part5の英文がTOEICの基本だと主張していますが、それとこれとは別です。1つの英文で作られているPart5を読めるようになれば、Part6の英文もPart7の英文も読めるようになっていきます。それは本当です。Part6やPart7の1文は少し長いけれど、英文の基本構造は大して変わりませんからね。
しかし、Part5の30問が正解できるようになれば、Part6の16問も正解できるようになるかと言えば、それは少し違うんですね。
Part5とPart6の問題の違いを端的に言い表せば、それは“文脈”です。たった1文のPart5と異なり、Part6は複数の英文で構成されていますし、段落だってあります。正解の選択肢の特定、不正解の選択肢の排除には、どうしても文脈に依存しなくてはならない局面が出てくるのです。
勿論、空所がある1文だけを読んで正解を導き出すことができる問題もあります。例えば、主述の一致を問う問題であったり、適切な態を見極める問題、名詞の単複や可算・不可算を問う問題、接続詞か前置詞を選ぶ問題などがそうですね。明らかに、それを選ばないと文法的にエラーになる場合です。
でも、この手の問題は少なくなってきています。1セット4問中1問はそもそも文挿入ですから、完全に文脈依存ですし、残りの3問も、前後の文章や、前後の文脈や全体の流れから、適切な選択肢を選ばせる形式のものが増えています。
多くは、時制、語彙、代名詞、接続副詞などです。未来時制なのか、過去か、現在完了か、というのは文脈から判断するわけですが、もし時を表すキーワードが含まれていなくて、その1文の形だけから判断しなくてはならないなら、複数の選択肢が正解となり得るのです。
語彙もそうです。特に名詞。その1分だけで見たら全て正解になり得る場合があります。これも文脈判断です。すべての英単語の意味を知っている必要がありますが、母語で考える力も求められますね。この文脈なら、この単語の、この意味しかないよねっていう決定力です。
代名詞もそうです。4つの選択肢のうち、1つか2つは、それを選ぶと文法的に誤りだっていうものがあるのですが、残りは文法的に全部ありっていうケースが多いのです。そうなると、文脈的にこれだな、という1つを選らばなくてはなりません。
接続副詞問題なんて、文脈判断の最たるものです。接続副詞が文頭に置かれていれば、文法的には4つ全部正解ですからね。前後の英文や、前後の文脈、文書全体の舵取りに相応しいものを選ばないといけないわけです。
これらの文脈判断の力は、1文のPart5には必要ないんです。主節と従属節の繋がりの良さから正解を見極めるようなケースはあります。また、この名詞を修飾するには、この関係詞節を選ぶしかないな、というようなケースもあり得ます、しかし、それらはあくまでも1つの英文の枠の中で解決されることなのです。
Part5とPart6は全く同じではありません。
1つの英文を読み解く姿勢としては、Part5もPart6もさほど差はありませんが、4つの選択肢から最も適切な単語やフレーズ、文を選ぶという思考においては、Part6のほうがプラスアルファのスキルが必要になります。Part5には必要がないもう一つのアプローチ、つまり文脈判断の力が必要になるのです。それは、もはや英語力とは別次元の力です。
Part5で1つの英文を解析する実力を養い、Part6で文脈を追う能力を身に着けると、Part7ではさほど苦労しなくなります。Part7も基本は文脈を追いながら、読み込んだ情報を整理していくPartだからです。この辺りはまたいつか別稿で書きます。
ではまた。
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